今季最終戦となるF1ブラジルGPは、フェラーリのフェリペ・マッサが地元で優勝、2位にはルノーのフェルナンド・アロンソが入り、2年連続でドライバーズチャンピオンに輝いた。ルノーも2年連続でコンストラクターズチャンピオンを獲得した。ブラジルGPが引退レースとなるフェラーリのミハエル・シューマッハは、序盤に最後尾に落ちたが、追い上げて4位に入った。
シューマッハの引退レースとなるということで、どういう走りをするのか注目されたが、予選からトラブルに見舞われた。日本GP同様、フェラーリの仕上がりは良く、フリー走行から他を圧倒する走りを見せていたが、Q3でいきなりトラブルに見舞われる。マシントラブルでQ3を1周も走れず、10番手スタートを余儀なくされる。普通に走っていれば、シューマッハはポールを取れる可能性は高かっただけに、悔やまれるトラブルだった。
さらに、決勝でもトラブルに見舞われる。序盤にルノーのジャンカルロ・フィジケラを追い越した際、左後輪のタイヤがパンクし、最後尾に落ちてしまう。トップを走るマッサのすぐ前を走っていたので、周回遅れになりそうになっていたが、そこからシューマッハは猛烈に追い上げた。まるで予選の走りのように、最速ラップを連発しながら前を追う。37周目にはついに8位まで上がり、入賞圏内に入る。その後、シューマッハはもう一度フィジケラをかわし、さらには終盤にキミ・ライコネンまでかわし、4位まで巻き返す。結局、シューマッハは4位でレースを終えたが、優勝したマッサとは約24秒、2位のアロンソとはなんと約5秒差までに追い上げる快走を見せた。一時はトップと70秒近い差があったことを考えると、シューマッハの追い上げは驚異的だ。さらに、ファステストラップを記録、さらに全てのセクターで最速タイムを記録する快走を見せた。
シューマッハはジャック・ヴィルヌーヴやミカ・ハッキネンらとチャンピオンを争っていたときは、彼らよりも1ランクも2ランクもポテンシャルが低いマシンに乗っていたこともあり、こういう攻めの走りを見せ、ファンを魅了していた。しかし、ハッキネンが引退したあたりからライバルと呼べる存在がいなくなったことに加え、フェラーリのマシンが他のマシンよりもずば抜けた速さをもってしまったこともあり、攻めの走りはあまり見られなくなった。今回はタイヤトラブルという想定外の事態が発生したため、ハッキネンらとチャンピオンを争っていたときを思い出させる走りを見ることができた。本当に引退するドライバーの走りかと思わせる走りだった。
2年連続でチャンピオンを獲得したアロンソも立派だ。あと1ポイント獲得すればチャンピオンという状況だったが、かえってこういう状況はやりにくいそうだ。にもかかわらず、堅実なレース運びをし、2位に入ってチャンピオンを決めた。今季前半戦は独走ムードだったが、後半に入り突然マスダンパーが禁止されたり、イタリアGPでは不可解なペナルティーを科されたりしてシューマッハとフェラーリに猛追されたが、最後は振り切った。まだ25歳ながら、アロンソの精神的な強さに驚かされる。過去、2年連続でタイトルを取ったドライバーは7人しかおらず、アロンソは偉大なドライバーの仲間入りをしたと言える。
最後に、スーパーアグリの佐藤琢磨の走りも見事だった。一時はマッサやアロンソよりも速いタイムで走っており、今季最高の10位でフィニッシュした。わずか4ヶ月の準備期間しかなく、開幕戦にマシンを並べただけでも奇跡と言われたのに、最終戦でトップ10に入る結果を残せたことは素晴らしい。当面のライバルであるトロロッソ、MF1だけでなく、今回はレッドブルにまで先着することができた。本当に素晴らしいとしか言えない。これも鈴木亜久里代表をはじめとするチームスタッフと、一時は頂点に手が届きかけた琢磨が腐らずに努力してきた結果だと思う。来季は楽しみだ。
シューマッハが引退し、ドライバーの平均年齢はぐっと若返る。そして、アロンソがマクラーレンへ、ライコネンがフェラーリに移籍する。どういった戦いになるのか、もう来年の開幕戦が待ちきれない。
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